マーケティングリサーチャーが教えるインタビュールームの選び方:失敗しない5つの基準

どのインタビュールームを使えばいいのか、正直よくわからない。定性調査の計画を立てているとき、そんな迷いにぶつかることはありませんか。東京だけでも数十か所の施設があり、料金も設備もまちまちです。選ぶときの軸を持っているかどうかで、調査の仕上がりは大きく変わります。私自身、外資系コンサルティング・ファームに在籍していた頃から国内外のインタビュールームを使い続けてきました。今回はその軸を、できるだけ実用的にお伝えします。

① 観察室とインタビュー室の空間設計を確かめる

インタビュールームは、マジックミラー越しにリサーチャーやクライアントが対象者の様子を見られる構造になっています。一般的な会議室と違い、対象者に余計なプレッシャーをかけず、自然な発言や表情を観察できるのが大きな特徴です。施設によって、インタビュー室と観察室の広さや動線はずいぶん違います。観察室が狭くてクライアントが窮屈そうにしていた施設や、逆にインタビュー室が広すぎて対象者との距離が出てしまった施設もありました。どんな調査をするのかに合った空間設計になっているか。ここが選ぶときの大事な分かれ目になります。

② 録音・録画とオンライン配信の設備を見る

マジックミラーの有無とサイズ、録音・録画の設備、ZOOMやストリーミング配信への対応を予約前にチェックしておきます。カメラの台数や角度、音声の収音範囲は、あとから分析に使える品質かどうかを問われる部分です。遠方のクライアントや海外チームへリアルタイムで届けられるか、フォーカスビジョン(Forsta)に対応しているかも確かめておくと安心です。Google Mapのレビューを見ていると、設備が古くて音声が聞き取りにくかったという声が施設ごとにはっきり分かれています。料金だけで決めず、こうした生の声にも目を通しておくと判断しやすくなります。

③ 対象者とスタッフの動線を分ける設計か確認する

洗面台やトイレの場所を確認しておきます。対象者が観察室側のスタッフと鉢合わせしない動線になっているか。意外と見落とされがちな部分です。対象者の受け入れ人数も、フォーカス・グループ・ディスカッションを行うなら6名前後が無理なく座れる広さが必要になります。外資系クライアントや海外の対象者が含まれる調査では、英語対応スタッフの有無も欠かせません。スタッフの対応が親切だったという声と、設備が古くて使いにくかったという声は、施設ごとにはっきり分かれています。

④ 料金を総コストで見て、安さの背景を読む

東京都心部の料金は、半日(4時間程度)でおおむね3万円から8万円です。立地や設備、スタッフサービスの厚さで幅が出ます。安い施設を選びたくなる気持ちはよくわかりますが、過去に使ってきた経験からいうと、安さが古さや狭さ、スタッフ不足につながっている例は少なくありませんでした。録音・録画機材が老朽化していてデータが使い物にならなかったり、スタッフが不慣れで実査当日に小さなトラブルが続いたりすると、調査そのものの信頼性にも影を落とします。アクセスのしやすさ、調査後の後処理のしやすさ、対象者が安心してリラックスできる環境かどうかを合わせて判断すると、選択を誤りにくくなります。

⑤ 観察室の快適性がアウトプットの質を左右する

選ぶときに案外見落とされるのが、観察室側の環境です。ミラー越しに対象者を見るクライアントやオブザーバーが、長時間でも快適に集中できるかどうかは、そのままアウトプットの質に響きます。観察室が暗くて狭い、椅子が硬い、空調がうるさい。こうした環境ではクライアントの集中が途切れがちになります。私自身、長丁場のフォーカス・グループ・ディスカッションで観察室のつらさに苦労したことが何度かありました。観察室の座席数や快適性、モニターの見やすさも、内見のときに確かめてみてください。

これまでの経験をもとに私が設計・運営しているのが、インタビュールーム赤坂 バイデンハウスです。所在地は東京都港区赤坂2-14-8 山口建設ビル3階・4階。使いやすく、清潔で、機能的な場所をつくりたいという思いから、これまで各施設で感じてきた不満をひとつずつ解消する形で組み上げました。2フロア構成で、マジックミラーを設置し、ZOOMやストリーミング配信に対応し、フォーカスビジョン(Forsta)も使えます。英語対応スタッフが在籍しており、営業時間は9時30分から22時まで。定性調査をより良いものにする場として、一度足を運んでいただけたら嬉しいです。

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