定性調査レポートの作り方:5つの手法と分析・報告の実践手順

定性調査のレポートに取りかかるとき、どこから手をつけるか迷った経験はありませんか。インタビューで得られる言葉は示唆に富んでいますが、それを整理して伝える作業は思いのほか難しいものです。数字でまとめられない分、書き手の力量が出やすい場面でもあります。今回は、定性調査のレポートをどう設計し、どう仕上げるかを、調査設計から報告書の構成まで実務に即してお伝えします。

そもそも定性調査とは何か――定量調査との違いから整理する

はじめに、定性調査と定量調査の違いを整理しておきます。定量調査はアンケートなどで数値データを集め、統計的に分析する方法です。これに対して定性調査は、少数のサンプルから深い洞察を得ることを目的とし、なぜそう思うのか、どんな気持ちなのか、といった言葉や行動の意味を探っていきます。

定性調査の手法は主に次の四つです。デプス・インタビューは、対象者一名と調査員が一対一で深く掘り下げる手法。フォーカス・グループ・ディスカッションは、複数名のグループで議論しながら意見や感情を引き出すグループインタビューです。エスノグラフィーは、対象者の生活や行動を現場で観察する手法。ワークショップは、参加者が協働しながらアイデアや課題を深掘りしていく形式になります。

手法は多岐にわたりますが、いずれも数ではなく深さを追うという点で共通しています。レポートを書くうえでも、この視点が土台になります。

定性調査の設計がレポートの質を左右する

良いレポートは、良い調査設計から生まれます。私がコンサルティング・ファームに在籍していたころ、レポートの品質にばらつきが出る原因をたどると、たいてい設計段階の甘さに行き着きました。何を明らかにしたいのかというリサーチクエスチョンが曖昧なまま実査に入ると、得られたデータの解釈もぶれていきます。

設計で押さえておきたい点はいくつかあります。まずリサーチクエスチョンの明確化です。○○についてどう思うかではなく、なぜ○○が選ばれないのか、というように問いを具体化します。次にサンプル数の設定。定性調査では少数で十分で、デプス・インタビューなら六名から十二名程度が目安です。多ければよいというものではありません。対象者の属性設計も欠かせません。ターゲットを代表するような、適度な多様性のある人選が鍵になります。そしてディスカッションガイドの精度。聞く順序と深掘りの軸を事前に組み立てておきます。

設計段階を固めておくと、後工程のレポート作成がぐっと楽になります。

定性調査レポートの構成と書き方のコツ

実査が終わると、録音・録画データやノートから情報を整理し、レポートに落とし込む作業に入ります。ここで多くの方がぶつかるのが、言葉を並べただけで終わってしまう問題です。定性調査のレポートに求められるのは、発言の羅列ではなく、そこから読み取れる意味と示唆の提示です。

構成の基本的な流れは次のようになります。冒頭にエグゼクティブサマリーを置き、調査の目的、方法、主要な発見事項を一、二ページにまとめます。続いて調査概要として、手法、実施日、サンプル数、対象者属性などを記載。本編の発見事項では、テーマ別に整理しながら、代表的な発言をそのまま引用して解説していきます。そのうえでインサイトと示唆を提示し、なぜそのような行動や意識が生まれているのかを分析してマーケティング上の含意を導きます。最後に、クライアントが次に取るべきステップを推奨アクションとして提言します。

発言の引用は、読み手になるほどこういうことかと実感してもらうための要素です。抽象的な解釈だけで閉じず、生の言葉と分析をセットで提示してください。また、サンプル数が少ないことへの補足説明をレポート冒頭に添えておくと、定性と定量の違いに馴染みのないクライアントの誤解を防げます。

レポートの精度を上げる実査環境という視点

見落とされがちですが、レポートの質はインタビューそのものの質に大きく左右されます。対象者がリラックスして話せているか、観察者が場の空気をしっかりつかめているか。こうした実査環境が、データの厚みに直結します。

私自身、国内外のさまざまなインタビュールームを使ってきましたが、施設によってインタビューの深まり方が明らかに違うと感じます。空調の音が気になる、蛍光灯の照明で尋問めいた雰囲気になってしまう、観察室からの視線を対象者が意識しすぎてしまう。そうした細部が発言の質に響いてきます。口コミやレビューを見ても、施設の清潔感や居心地のよさを挙げるコメントが目立ち、研究者にとってもモデレーターにとっても、場の雰囲気が重視されていることがうかがえます。

こうした経験をもとに設計したのが、インタビュールーム赤坂 バイデンハウスです。使いやすく、清潔で、機能的にというコンセプトを掲げ、定性調査の実査がスムーズに進むよう細部までこだわっています。

インタビュールーム赤坂 バイデンハウスの特徴

東京・赤坂にあるインタビュールーム赤坂 バイデンハウスは、定性調査の専門施設として、デプス・インタビューからフォーカス・グループ・ディスカッションまで幅広く対応しています。三階と四階の二フロア構成で、プロジェクトの雰囲気や対象者層に合わせて使い分けられます。

  • 二フロア構成。三階はカジュアルな雰囲気、四階は落ち着いたムードで、調査内容に合わせて選べます
  • マジックミラーを設置し、観察者がインタビューの場を自然に見守れる設計です
  • 洗面台つきで、長時間の実査でも対象者やスタッフが快適に過ごせます
  • ZOOMやストリーミング配信に対応し、リモートからのオブザーブも可能。フォーカスビジョン(Forsta)にも対応します
  • 英語対応スタッフが在籍し、グローバルプロジェクトや外資系クライアントの調査にも安心して使えます
  • 対象者は最大六名まで対応でき、フォーカス・グループ・ディスカッションにも十分な広さがあります
  • 営業時間は9:30から22:00。夜間の実査にも対応し、スケジュール調整がしやすくなっています

レポートの質を高めたいなら、まずは実査の環境を整えるところから始めてみてください。よい環境がよいデータを生み、よいデータがよいレポートにつながります。設計から実査、レポート完成まで通して質を追いたいプロジェクトに、インタビュールーム赤坂 バイデンハウスをぜひお役立てください。

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著者プロフィール

石崎 健人

インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役

外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。

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