マーケティングリサーチを外部に委託しようと動き始めたとき、思いのほか手間取るのが稟議書の作成です。とくに定性調査は定量調査にくらべて社内での認知度が低く、なぜこの手法なのか、なぜこの金額なのかを承認者に説明しづらいと感じている担当者は少なくありません。コンサルティング・ファーム時代にクライアント企業の稟議書作成を支援してきた経験から、定性調査の稟議書を通すために押さえておきたいポイントを整理していきます。
目次
① 定性調査と定量調査の目的の違いを冒頭に明記する
アンケートのような定量調査は、n=1,000名に実施するという形で数字の根拠を示せるため、承認者にも直感的に伝わります。一方、定性調査は対象者6名にインタビューといった規模感になりがちで、たった6人で何がわかるのかと疑問を持たれることがあります。定性調査の狙いは、統計的な代表性ではなく、消費者の深層心理や行動の背景、本人も言葉にできていないニーズを掘り下げることにあります。定量調査は何割の人がそう感じているかを統計的に把握する手法で、定性調査はなぜそう感じるのか、どんな文脈でその行動が生まれるのかを深く理解する手法です。稟議書ではこの目的の違いを冒頭に明記しておくと、承認者の誤解を未然に防げます。
② 費用の内訳を項目別に書き出す
調査会社に委託する場合、稟議書には調査の目的・背景、手法の選定理由、調査設計の概要、委託先の選定理由、費用の内訳、機密保持契約の締結有無、期待されるアウトプットと活用方針を盛り込みます。とくに費用の内訳では、リクルーティング費、インタビュールーム使用料、モデレーター費、分析・レポート費といった項目別に書き出します。インタビュールーム使用料が別途発生することを知らない承認者も多く、ここを丁寧に書いておくと差し戻しのリスクを減らせます。私が支援してきた案件でも、この構成にしてから通過率が大きく上がりました。
③ 調査会社を専門領域との相性とコミュニケーションで選ぶ
マーケティングリサーチの外注は、調査目的の明確化と手法の検討から始まり、調査会社への問い合わせと提案依頼、見積もり取得と選定、稟議書の作成と社内承認、機密保持契約の締結と正式発注、調査設計とリクルーティング、インタビュールームでの実査、分析とレポート納品という流れで進みます。調査会社を選ぶ際は、消費財や医療、BtoBといった専門領域との相性、モデレーターの質、レポートの読みやすさ、対応のスピード感を総合的に見ます。国内外のさまざまなプロジェクトに関わってきて思うのは、担当者とのコミュニケーションのしやすさが調査品質にそのまま響くということです。見積もり段階でのレスポンスや提案の丁寧さは、実査時のパートナーシップにそのまま現れます。
④ 機密保持契約をマーケティングリサーチに即した形で結ぶ
調査の性質上、商品開発の方向性や競合分析の視点が対象者やモデレーターに伝わる場面があります。委託先とのあいだでマーケティングリサーチに即した機密保持契約を結んでおくことは、リスク管理としても稟議書の説得力を高めるうえでも欠かせません。機密保持契約の締結有無は、情報管理の観点から承認者が気にするポイントです。稟議書には必ずこの項目を含めておきます。
⑤ インタビュールームの設備と対応を稟議書に記載する
稟議が通り、いよいよ実査の場所を手配する段階になると、インタビュールームの選択が調査品質を左右します。これまで国内外の多くの施設を利用してきましたが、スタッフの対応、設備の清潔感、配信環境のクオリティは、施設によって本当に差があります。インタビュールーム赤坂 バイデンハウスは、2フロア構成でマジックミラー設置、洗面台つき、ZOOMやストリーミング配信に対応し、英語対応スタッフが在籍、対象者は最大6名まで対応、営業時間は9時30分から22時までという設備を整えています。稟議書の実査場所の欄に施設情報を書き込むとき、設備の充実度や配信対応の可否は重要な要素になります。バイデンハウスでは、そのまま記載いただける施設情報をお渡ししています。承認が下りたら、まずは空き状況をご確認ください。仮予約の段階では費用は発生しませんので、日程を押さえながら社内調整を進められます。
