マーケティングリサーチを外部に委託しようと動き始めたとき、思いのほか手間取るのが稟議書の作成です。とくに定性調査、つまりデプス・インタビューやフォーカス・グループ・ディスカッションといった手法は、定量調査にくらべて社内での認知度が低く、なぜこの手法なのか、なぜこの金額なのかを承認者に説明しづらいと感じている担当者は少なくありません。私自身、コンサルティング・ファーム時代にクライアント企業の稟議書作成を支援してきましたが、このプロセスには独特の難しさがあります。定性調査の稟議書を通すために押さえておきたいポイントを、外注フローと合わせて整理していきます。
目次
なぜ定性調査の稟議書は通りにくいのか
アンケートのような定量調査は、n=1,000名に実施するという形で数字の根拠を示せるため、承認者にも直感的に伝わります。一方、定性調査は対象者6名にインタビューといった規模感になりがちで、たった6人で何がわかるのかと疑問を持たれることがあります。
定性調査の狙いは、統計的な代表性ではなく、消費者の深層心理や行動の背景、本人も言葉にできていないニーズを掘り下げることにあります。この違いを稟議書のなかで言葉にできるかどうかが、承認の分かれ目になります。
- 定量調査は、何割の人がそう感じているかを統計的に把握する手法です
- 定性調査は、なぜそう感じるのか、どんな文脈でその行動が生まれるのかを深く理解する手法です
- 両者は競合せず、目的に応じて使い分けるものです
稟議書ではこの目的の違いを冒頭に明記しておくと、承認者の誤解を未然に防げます。
定性調査の稟議書に盛り込むべき項目
調査会社に委託する場合、稟議書に含めたい内容はおおむね次のように整理できます。私が支援してきた案件でも、この構成にしてから通過率が大きく上がりました。
- 調査の目的・背景。何を知りたいのか、なぜ今調査が必要なのかをはっきり書きます
- 手法の選定理由。デプス・インタビューかフォーカス・グループ・ディスカッションか、なぜその手法を選んだのかを説明します
- 調査設計の概要。対象者の条件、グループ数やセッション数、実査の日程と場所を記載します
- 委託先の選定理由。調査会社の実績や専門性、相見積もりの状況に触れます
- 費用の内訳。リクルーティング費、インタビュールーム使用料、モデレーター費、分析・レポート費といった項目別に書き出します
- 機密保持契約の締結有無。情報管理の観点から承認者が気にするポイントです
- 期待されるアウトプットと活用方針。報告書の形式や社内での活用計画をまとめます
とくに費用の内訳では、インタビュールーム使用料が別途発生することを知らない承認者も多く、ここを丁寧に書いておくと差し戻しのリスクを減らせます。
調査会社の選び方と外注フローの基本
マーケティングリサーチの外注は、おおよそ次の流れで進みます。稟議書を作るのは発注前の段階ですが、全体像を押さえておくと書く内容の精度も上がります。
- 調査目的の明確化と手法の検討
- 調査会社への問い合わせと提案依頼
- 見積もり取得と調査会社の選定
- 稟議書の作成と社内承認
- 機密保持契約の締結と正式発注
- 調査設計、スクリーナー作成、リクルーティング
- インタビュールームでの実査
- 分析とレポート納品
調査会社を選ぶ際は、消費財や医療、BtoBといった専門領域との相性、モデレーターの質、レポートの読みやすさ、対応のスピード感を総合的に見ます。国内外のさまざまなプロジェクトに関わってきて思うのは、担当者とのコミュニケーションのしやすさが調査品質にそのまま響くということです。見積もり段階でのレスポンスや提案の丁寧さは、実査時のパートナーシップにそのまま現れます。
機密保持契約については、調査の性質上、商品開発の方向性や競合分析の視点が対象者やモデレーターに伝わる場面があります。委託先とのあいだでマーケティングリサーチに即した機密保持契約を結んでおくことは、リスク管理としても稟議書の説得力を高めるうえでも欠かせません。
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスが選ばれる理由
稟議が通り、いよいよ実査の場所を手配する段階になると、インタビュールームの選択が調査品質を左右します。これまで国内外の多くの施設を利用してきましたが、スタッフの対応、設備の清潔感、配信環境のクオリティは、施設によって本当に差があります。Googleマップのレビューを見ても、設備は整っているが対応が事務的だった、配信の音声が不安定だったといった声は珍しくありません。
そうした経験を踏まえて私が設計・運営しているのが、インタビュールーム赤坂 バイデンハウス(東京都港区赤坂2-14-8 山口建設ビル 3F・4F)です。コンサルタントでありリサーチャーでもある立場から、こういう施設が必要だと感じてきたものをそのまま形にしました。
- 2フロア構成。3階はカジュアルな雰囲気、4階は落ち着いたムードの空間で、調査内容や対象者に合わせて選べます
- マジックミラー設置。クライアントがリアルタイムで観察できる本格的な観察室を備えています
- 洗面台つき。長時間の実査でも対象者とスタッフが快適に過ごせます
- ZOOMやストリーミング配信に対応。遠方のクライアントやフォーカスビジョン(Forsta)を使ったオンライン観察にも使えます
- 英語対応スタッフが在籍。外資系企業や海外クライアントが関わるプロジェクトでも安心して使えます
- 対象者は最大6名まで対応。フォーカス・グループ・ディスカッションに必要な規模を確保しています
- 営業時間は9:30から22:00まで。夕方以降のセッションにも柔軟に対応します
稟議書の実査場所の欄に施設情報を書き込むとき、設備の充実度や配信対応の可否は重要な要素になります。バイデンハウスでは、そのまま記載いただける施設情報をお渡ししています。承認が下りたら、まずは空き状況をご確認ください。仮予約の段階では費用は発生しませんので、日程を押さえながら社内調整を進められます。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
