ユーザーインタビューのコツ6選|本音を引き出す質問設計と進め方

ユーザーインタビューをやってみたものの、なんとなく話を聞いて終わってしまった。そんな手応えのなさを感じたことはないでしょうか。設計と進め方を少し変えるだけで、得られるインサイトの深さはまるで違ってきます。定性調査の現場に長く関わってきて、準備が8割、当日が2割という感覚はずっと変わりません。設計から分析まで、実務でそのまま使える6つのコツを順にお伝えします。

設計は「何を知りたいか」を一文に落とすところから

つまずきやすいのは、とりあえず聞いてみようという状態のまま当日を迎えてしまうことです。設計の段階で、本当に答えを出したい問いを1〜2行で書き出しておくと、質問項目の組み立てが一気に楽になります。

質問を考えるときは、行動と文脈と感情の3つの軸を意識してみてください。何をしたか、そのときどんな状況だったか、どう感じたか。この3点を引き出せる構造になっていると、分析で使えるデータがそろいます。

  • 冒頭は普段の生活や習慣などウォームアップの質問で場をほぐす
  • 核心に近い質問は中盤から後半に置く
  • 誘導にならないよう、なぜ、どんなときといったオープンな問いを基本にする
  • 〇〇だと思いますかという確認型の質問はできるだけ避ける
  • 最後にほかに気になることはありますかと余白を残す

当日は聞くより待つ

準備が整えば、次は当日の進行です。多くのモデレーターが陥りがちなのが、沈黙を埋めようとしてしまうこと。対象者が少し考え込んでいるところに言葉を重ねると、本人がこれから口にしようとしていた大事なひと言が消えてしまいます。あるデプス・インタビューの場で、対象者が3秒ほど間を置いてから話してくれた内容が、その日全体でいちばん重要なインサイトになったことがありました。待つというのは、それ自体が技術です。

対象者の言葉をそのまま繰り返すオウム返しも有効です。ちゃんと聞いてもらえているという安心感が生まれ、自然に話が深まっていきます。先ほど〇〇とおっしゃっていましたが、もう少し教えていただけますかとひと言添えるだけで、表面的な答えから具体的なエピソードへと話が動き出します。

人数と回数の目安

何人くらい話を聞けばいいですかという質問は、現場でもよく受けます。定性調査では、1セグメントあたり5〜8名ほどで飽和に達すると言われます。それ以上重ねても、新しいインサイトが出にくくなるラインです。

もちろん目安です。ターゲットのセグメントが複数ある場合や、仮説がまったくない探索的な調査では、もう少し多めに設計することもあります。アジャイル開発のサイクルに合わせるなら、1ラウンド3〜5名で複数回まわすやり方も使えます。フォーカス・グループ・ディスカッションと組み合わせるかどうかも、調査の狙いに合わせて決めていきます。

分析は録画とその場メモをフル活用

分析を記憶頼みにしないこと、これが鉄則です。録画と録音の許可をあらかじめ取り、インタビュー中は気になった発言や表情、間を短くメモに残しておくと、後の作業が見違えるほど楽になります。

分析の流れは、だいたい次のようになります。

  • 録音や録画をもとに発言を書き起こす。全文ではなく、印象的なところを中心に
  • 発言を付箋やカードに書き出し、テーマごとに分類するアフィニティ・ダイアグラムを行う
  • 繰り返し出てきたパターンと、例外的なエピソードの両方に目を向ける
  • なぜそうなっているのかという解釈を加え、仮説に落とし込む
  • ステークホルダーへの報告では、対象者の生の言葉を引用して説得力を持たせる

分析は一人で抱え込むより、モデレーターとオブザーバーで一緒に進めたほうが解釈の偏りを防げます。複数の視点が入ると、見落としていたパターンが浮かんでくることも多いです。

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