ユーザーインタビューをやってみたいけれど何を聞けばいいかわからない、毎回その場しのぎになってしまい分析で苦労する。定性調査の現場ではこうした悩みをよく耳にします。インタビューはアンケートでは届かない深い声を引き出せる手法ですが、準備が足りないまま臨むと、対話は表面をなぞるだけで終わってしまいます。ここでは、実査の場でそのまま使えるテンプレートと、設計のコツを紹介します。
目次
テンプレートが対話を深くする理由
テンプレートと聞くと型にはめる印象を持つ方もいますが、定性調査の質問設計はむしろ逆です。骨格を先に整えておけば、インタビュアーは次に何を聞くかではなく、いま相手が何を語ろうとしているかに意識を向けられます。コンサルティング・ファーム時代に多くのデプス・インタビューに立ち会ってきた経験から言えるのは、準備の精度がそのまま発言の深さに直結するということ。テンプレートはインタビューを縛る枠ではなく、対話を豊かにするための地図です。
そのまま使えるテンプレートの構成
質問項目は大きく5つのブロックに分けて設計するとまとまります。骨格は次のとおりで、目的や対象者に応じて中身を入れ替えてお使いください。
- アイスブレイク(3〜5分)。普段の生活や仕事について気軽に話してもらい、緊張をほぐします。たとえば、最近どこで買い物をすることが多いですか、といった切り口です。
- 現状・行動の把握(10〜15分)。対象製品やサービスにまつわる日常の行動パターンを聞きます。○○をするとき普段はどんな手順で進めていますか、と尋ねる形です。
- 課題・不満の深掘り(15〜20分)。困っている場面や使いにくさを感じた瞬間を具体的に引き出します。そのときどんな気持ちになりましたか、という問いかけが効きます。
- 解決策・期待のヒアリング(10〜15分)。理想の状態や、あったら嬉しい機能や体験について聞きます。誘導にならないよう気をつけてください。
- クロージング(3〜5分)。最後に、今日話せなかったけれど伝えたいことはありますか、と投げかけます。ここで思わぬ本音が出てくることもよくあります。
質を高める7つのポイント
骨格ができたら、次は設計のクオリティを底上げする工夫です。これまでの実査経験と、さまざまなインタビュールームを使ってきた中で見えてきた実践的なポイントをまとめます。
- なぜ、よりも、どのように、で尋ねます。なぜそう思いましたかは詰問に聞こえがちで、どんなふうに感じましたかと問うほうが話は広がります。
- 1問1テーマを徹底します。使いやすいですか、また改善してほしい点はありますか、のような複合質問は避けます。
- 沈黙を埋めません。相手が考えている3〜5秒の間はむしろチャンスで、急いで次の質問を重ねないようにします。
- 過去の具体的な経験を聞きます。もし〜だったらという仮定よりも、実際に〜したときという実体験ベースのほうが、信頼できる情報が手に入ります。
- 人数は目的次第ですが、デプス・インタビューは1対1が原則です。深い個人の体験を聞き出すには1名ずつ、複数名の意見を幅広く集めたい場合はフォーカス・グループ・ディスカッションが向いています。後者は最大6名程度が目安です。
- モデレーターとノーテイカーは分けます。記録と対話を一人でこなすのは無理があり、役割を分担できれば対話そのものに集中できます。
- 分析を見据えて設計します。この質問の回答をどう分析に使うかをイメージしておくことが、有効な質問項目をつくる第一歩です。発言をカテゴリごとに整理するKJ法や、行動・感情・課題をマッピングするアフィニティ・ダイアグラムが分析ではよく使われます。
当日の環境づくりも設計の一部
質問項目がどれだけ練られていても、対象者がリラックスして話せる環境がなければ深い発言は出てきません。さまざまなインタビュールームを使い続けてきて、これは強く感じてきたことです。施設の清潔感、照明の温かさ、待合スペースの居心地。こうした細部が対象者の緊張感に直結します。マジックミラー越しにクライアントが観察できるか、ZOOMやストリーミング配信に対応しているかも、実査の段取りを大きく左右します。
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスの特徴
こうした現場感覚をもとに、自ら設計・運営しているのがインタビュールーム赤坂 バイデンハウスです。東京メトロ赤坂駅から徒歩圏内にあり、3階と4階の2フロアを使い分けられます。3階はカジュアルで開放的、4階は落ち着いたムードのある空間で、対象者のプロフィールや調査内容に合わせて選べます。利用された定性調査のご担当者から、対象者が自然と話してくれるという感想をいただくことが多く、空間設計がインタビューの質に効いていると感じています。
- マジックミラーを設置し、クライアントによる観察ができます
- ZOOM配信・ストリーミング配信に対応し、フォーカスビジョンやForstaも利用できます
- 対象者は最大6名まで対応し、フォーカス・グループ・ディスカッションにも向いています
- 洗面台を備え、対象者が快適に過ごせる環境を整えています
- 英語対応スタッフが常駐し、外資系やグローバル案件にも対応します
- 営業時間は9時30分から22時までで、夜間の実査にも対応します
- カジュアルな3階と落ち着いた4階の2フロアを、用途に応じて選べます
テンプレートと設計が整ったら、最後は実査の場所選びです。空間が変わると発言が変わる。これは定性調査に長く携わってきた者としての正直な実感です。インタビュールーム赤坂 バイデンハウスの空気を、ぜひ一度確かめてみてください。仮予約は空き状況の確認から始められます。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
