どんな質問を、どんな順番で聞けばいいのか。ユーザーインタビューを初めて設計するとき、まずここでつまずく方は多いはずです。質問項目をひととおり書き出してみたものの、これで本当に欲しい情報が引き出せるのか自信が持てない。あるいは何度か調査を経験してきたけれど、毎回なんとなくの設計で済ませていて、そろそろきちんと整理したい。そんな方に読んでほしい内容です。インタビューの設計は、調査全体の質を決める要の工程です。設計の考え方から質問項目のつくり方、当日までの準備まで、実務で使える視点でお伝えします。
目次
ユーザーインタビューの設計で最初に決めること
設計の第一歩は、この調査で何を明らかにしたいのかをはっきりさせることです。当然のことのようですが、ここが曖昧なまま質問項目を考え始めると、インタビューは散漫になります。私がコンサルティング・ファームにいた頃、痛感したのもまさにここでした。目的がユーザーの不満を知ることなのか、新機能のコンセプト受容性を確かめることなのかで、聞くべきことはまるで変わってきます。
設計の入口では、次の3点を先に整理しておくと迷いが減ります。ひとつ目は調査目的、つまり何の意思決定に使うデータを集めるのか。ふたつ目はリサーチクエスチョンで、インタビューを通じて答えを出したい問いは何か。三つ目は対象者像で、属性や経験、行動特性から見てどんなユーザーに話を聞くのか。この3点が定まると、質問項目の選定も自然と絞られていきます。逆にここが曖昧なまま進めると、分析の段階で結局何が言えるのかという壁にぶつかります。
質問項目の作り方と聞き方のコツ
質問項目を設計するうえでまず意識したいのが、オープンクエスチョンを基本にすることです。使いやすかったですかと聞けば、はい・いいえで会話は終わってしまいますが、使ってみてどうでしたかと尋ねれば、相手は自分の言葉で語り始めます。定性調査の醍醐味は、この語りの中にあると思っています。
質問項目の構成でよく使われるのが、漏斗のかたちをしたフォネル構造です。広い話題から入り、徐々に核心へ近づいていきます。最初のウォームアップでは、日常の話や製品・サービスとの関わりなど、話しやすいテーマから入ります。続くメインの探索では、調査目的に直結するテーマを深掘りします。さらに具体的な体験の確認として、その時どんな気持ちでしたか、なぜそうしたんですかと掘り下げ、最後のクロージングで、ほかに気になっていることはありますかと言い残しがないかを確かめます。
もうひとつのコツが、なぜを直接聞きすぎないことです。なぜそうしたんですかという問いは、相手に責められているような印象を与えることがあります。もう少し教えていただけますか、その時のことを詳しく聞かせてくださいと言い換えるだけで、対象者の反応はずいぶん変わります。インタビュアーの言葉の選び方ひとつで、引き出せる情報の深さは大きく動きます。
ユーザーインタビューの人数と回数の考え方
何人に話を聞けばいいのかという質問もよく受けます。定性調査では統計的な有意差を求めるわけではないので、量より密度が大切です。同一のセグメントであれば、5〜8名程度で主要なテーマが飽和し、新しい情報が出にくくなってくると言われています。
ただし対象者のセグメントが複数ある場合、たとえばヘビーユーザーとライトユーザーを分けて調査したいときなどは、それぞれで一定数を確保する必要があります。インタビュールーム赤坂 バイデンハウスでは、個別に話を聞くデプス・インタビューに合うレイアウトと、最大6名が参加するフォーカス・グループ・ディスカッションのレイアウトのどちらにも対応しています。設計の段階から手法を見極めつつ、実査の場所選びも並行して進めると、後の段取りが楽になります。
1セッションのインタビュー時間は60〜90分が目安です。それ以上長くなると対象者の集中力が落ち、後半の発言の質が下がっていきます。
分析まで見越した設計が、調査の質を上げる
見落とされがちなのが、分析のしやすさを設計の段階から織り込むことです。質問項目を作りながら、この質問への回答は後でどう整理するのかまで想像しておくと、分析工程の進み方がまるで変わってきます。
複数のインタビュー回のデータを横並びで比較したいなら、各セッションで共通して聞くコア質問と、対象者ごとに調整してよいフレキシブル質問を分けておくと整理が利きます。録音・録画する場合は、文字起こし後にどんな切り口でラベリングするかを事前に決めておくだけで、分析の速度がぐっと上がります。
私自身、とりあえずインタビューして後で考えようという甘い設計の調査に関わり、分析で膨大な時間を取られた苦い経験があります。設計と分析はセットで考える。これがインタビュー設計の核だと思っています。
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスについて
丁寧に設計した調査でも、実査の環境が整っていなければ本来の成果は出ません。対象者がリラックスして話せる空間か、観察や記録のための設備が整っているか。インタビュールームを選ぶうえで外せないところです。国内外いろいろな施設を使ってきた経験から、環境の質は発言の質に直結すると実感しています。
その実感をもとに設計したのが、東京都港区赤坂2-14-8 山口建設ビル 3F/4Fにあるインタビュールーム赤坂 バイデンハウスです。
- 3階はカジュアルな雰囲気、4階は落ち着いたムードのある雰囲気で、調査の目的や対象者に合わせてフロアを選べます
- マジックミラーを備え、クライアントがリアルタイムで観察・モニタリングできます
- ZOOM配信やストリーミング配信に対応し、遠方のクライアントにもセッションを共有できます
- 洗面台つきで、長時間の実査でも対象者とスタッフが快適に過ごせます
- 英語対応スタッフが在籍し、外資系クライアントや海外向け調査にも対応できます
- 対象者は最大6名まで対応し、フォーカス・グループ・ディスカッションにも使えます
- 営業時間は9:30〜22:00で、夜間の実査にも対応しています
設計から実査まで一貫して質を保ちたい方に、ぜひ一度ご検討いただけたらと思います。空き状況の確認や仮予約だけでも、お気軽にお問い合わせください。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
