定性調査と定量調査はどう違うのか。マーケティングリサーチの現場でよく耳にする質問です。同じ調査という言葉がついていても、目的も手法もまるで別物。どちらを選ぶかでプロジェクトの方向性が変わってしまうこともあるので、ここで整理しておきます。
目次
定性調査と定量調査、根本的な違いはどこにある?
ざっくり言えば、定量調査はどのくらいかを明らかにする調査、定性調査はなぜ、どのようにを掘り下げる調査です。たとえばアンケートで1,000人にこの商品を買いたいですかと尋ねて、はいが70%。これは定量調査が得意とする場面です。一方で、なぜ買いたいと感じたのか、どんな場面で使うつもりなのか、引っかかった点はなかったか。こうした声の奥にある感情や動機は、数字を眺めても浮かび上がってきません。そこで定性調査の出番になります。
定量調査は数値データを大量に集めて統計的な傾向をつかむ手法で、アンケートやWeb調査が代表的です。サンプル数は数百から数千が目安になります。定性調査は少人数から深い情報を引き出し、行動や意識の背景を読み解く手法で、デプス・インタビューやフォーカス・グループ・ディスカッションが知られています。サンプル数は1グループ6名前後、デプスなら数名から十数名というのが目安です。
どちらが優れているかという話ではありません。何を知りたいかで使い分けるだけです。実務では両者を組み合わせる設計も多く、定性調査で仮説を立てて定量調査で検証するという流れは定番中の定番です。
定性調査の種類と、それぞれの使いどころ
定性調査には代表的な手法がいくつかあります。私自身、コンサルティング・ファーム時代からさまざまな定性調査の設計と実査に携わってきましたが、手法選びを誤るとせっかくの調査がもったいない結果に終わることも少なくありませんでした。手法ごとの特性は押さえておきたいところです。
- デプス・インタビューは、対象者と1対1または少人数で深く話し込む手法です。プライベートな話題や競合他社との比較など、グループでは話しにくいテーマに向きます。
- フォーカス・グループ・ディスカッションは、6名前後で議論を交わし、参加者同士のやりとりから新たな気づきを引き出す手法です。商品コンセプトの評価やブランド認知の把握で力を発揮します。
- エスノグラフィーは、対象者の生活空間や職場に入り込んで行動を観察する手法です。言葉にならないニーズや習慣を見つけるのに向いています。
- ワークショップは、参加者が能動的に創造し議論するセッション形式で、アイデア発散や共創型の製品開発でよく使われます。
どの手法を使うかは、調査の目的、対象者の属性、予算、スケジュールを踏まえて慎重に決めたいところ。とりあえずグループインタビューで、という発想は調査設計の失敗を招きかねません。
定性調査の設計で押さえておきたいポイント
定性調査の設計でまず考えたいのは、何を明らかにしたいのかというリサーチクエスチョンを明確にすることです。ここがぼやけたまま設計すると、モデレーターも進めにくく、分析の段になって結局何がわかったんだっけ、となりかねません。私も若い頃に同じ失敗をしました。
サンプル数については、少なすぎるのではと不安を口にされるクライアントもいますが、定性調査は統計的な代表性を求めるものではありません。インタビューを重ねるうちに新しい発見が出てこなくなるポイント、いわゆる理論的飽和に達したら、それが適切なサンプル数の目安になります。デプス・インタビューなら対象セグメントあたり5〜8名、フォーカス・グループ・ディスカッションなら2〜3グループというのが設計の目安です。
調査後の分析とレポーティングも欠かせない工程です。録画や文字起こしから発言の背景にある意識構造を読み解く作業には、経験と感度が問われます。
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスが選ばれる理由
定性調査の実査場所として、インタビュールームの環境は調査品質を左右します。私自身、国内外のさまざまなインタビュールームを使ってきた中で、設備は揃っているのにどこか使いにくい、対象者が緊張してしまう雰囲気、配信まわりのトラブルが多いといった不満を感じてきました。その経験を設計に反映してつくったのが、インタビュールーム赤坂 バイデンハウスです。
- 2フロア構成で、3階はカジュアルな雰囲気、4階は落ち着いたムードのある空間。対象者の属性や調査テーマに合わせて選べます。
- マジックミラーを設置し、クライアントがリアルタイムで観察できる本格的な設備を備えています。
- 洗面台つきで、対象者が長時間滞在しても快適に過ごせる清潔な環境です。
- ZOOMやストリーミング配信に対応し、フォーカスビジョン(Forsta)などのシステムも利用可能。遠隔地のクライアントへのリアルタイム配信もスムーズに行えます。
- 英語対応スタッフが在籍しており、グローバル企業の定性調査や外国人対象者のインタビューにも対応します。
- 対象者は最大6名まで対応でき、フォーカス・グループ・ディスカッションの標準的な規模に合わせています。
- 営業時間は9:30〜22:00。夜間の実査にも対応するので、スケジュールに融通が利きます。
東京・赤坂という立地で、対象者のリクルーティング面でも安心感があります。調査の質は場所の質にも宿る。そう信じて設計したインタビュールームです。実査場所をお探しでしたら、選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
