定性調査の実施が決まり、いざリサーチ会社に依頼しようとした段階で、RFPに何を書けばいいのか分からず手が止まった経験はありませんか。定性調査のRFP、いわゆる提案依頼書は、定量調査のものとは構成が少し違います。調査設計の自由度が高いぶん、どこまで踏み込んで書くべきか迷いやすいのです。ここでは定性調査向けのRFPテンプレートを示しながら、各項目の埋め方を順に見ていきます。
目次
そもそもRFPとは何か、定性調査での役割
RFPはRequest for Proposalの略で、調査会社に対してこういう条件で提案してくださいと伝えるための文書です。定量調査ならサンプル数や調査地域、スクリーニング条件などを比較的書きやすいのですが、定性調査では事情が変わってきます。
定性と定量の違いを一言にすれば、なぜ・どのようにを掘り下げるのが定性、どのくらい・どれだけを数値で押さえるのが定量です。定性調査ではデプスインタビューやフォーカスグループディスカッションのように、対象者との対話や観察から質的なインサイトを引き出します。そのため、RFPにも調査手法を選んだ理由、インタビューガイドの方向性、対象者のリクルート条件など、定量とは異なる視点の記述が必要になります。
RFPを丁寧に書いておくと、複数社の提案を横並びで比較しやすくなり、目的認識のズレも防げます。設計の上流で言葉を尽くすことが、最終的なアウトプットの質に効いてきます。
定性調査RFPのテンプレート 7つの必須項目
コンサルティングの現場で複数のリサーチ会社とやりとりを重ねるうちに、定性調査のRFPに欠かせない項目が見えてきました。以下のテンプレートをベースに、自社の調査に合わせて調整してみてください。
- ①調査の背景と目的。なぜ実施するのか、何を明らかにしたいのかを具体的に書きます。消費者の購買決定プロセスを理解したいなど、ビジネス課題と直結させて記述するのがコツです。
- ②調査手法の種類。デプスインタビューなのか、フォーカスグループディスカッションなのか、エスノグラフィーやワークショップなのかを明記します。手法を決めきれない場合は、推奨手法の提案を求めると書いておくとよいでしょう。
- ③対象者条件。年齢、性別、居住地、職業、購買経験など、リクルートに必要な条件を書き出します。サンプル数はデプスなら6〜12名、グループなら2〜4グループ程度が目安ですが、その根拠も添えると提案側が設計しやすくなります。
- ④調査設計の方向性。インタビューの所要時間、セッション数、実施時期、対面かオンラインかといった基本設計を記載します。会場を指定する場合はその旨も書いておきましょう。
- ⑤インタビューガイドの扱い。クライアント側で用意するのか、調査会社に作成を任せるのかをはっきりさせます。たたき台を添付できれば、提案の精度がぐっと上がります。
- ⑥成果物と納品形式。逐語録、サマリーレポート、動画データ、ハイライトクリップなど、求めるものを具体的に並べます。
- ⑦スケジュールと予算感。実査希望日、納品期限、予算レンジを記載します。予算を書くのをためらう方は多いのですが、書いておくほうが現実的な提案が返ってきます。
RFPでつまずきやすいポイント
これまで多くの定性調査プロジェクトに関わるなかで、RFPが原因で迷走するケースを何度も見てきました。一番多いのは目的の解像度が低いパターンです。消費者理解を深めたい、とだけ書かれていても、調査会社側はどう提案してよいか判断できません。なぜ競合ブランドへのスイッチが起きているのかを感情や価値観のレベルで把握したい、というところまでリサーチクエスチョンを具体化することが効いてきます。
サンプル数をどう設定するかという相談もよく受けます。定性調査は数の少なさに不安を抱かれがちですが、仮説生成やインサイト探索が目的である以上、統計的代表性よりも対象者の多様性と深度のほうが効きます。その考え方をRFPに書き込んでおけば、提案側との目線合わせがスムーズに進みます。
現場の声としても、RFPの段階でゴールが曖昧だと納品物を見てから初めてズレに気づく、という話はよく聞きます。設計の上流に時間をかけることは、決して回り道ではありません。
実査環境をどう書くか、オンラインとオフライン
意外と見落とされがちなのが、実査環境についての記述です。フォーカスグループディスカッションやデプスインタビューを対面で実施する場合、会場、つまりインタビュールームの手配を誰がするのかをはっきりさせておく必要があります。
調査会社が押さえることもあれば、クライアントが指定会場を確保することもあります。後者の場合は、ZOOM配信やストリーミングへの対応、マジックミラーの有無、英語対応スタッフが必要かどうかまでRFPに盛り込んでおくと、提案の前提条件が揃います。
国内外のインタビュールームをいくつも使ってきた経験から言えるのは、設備がいくら整っていても、スタッフの応対や清潔感、空調といった場の質が調査の空気に大きく影響するということです。対象者がリラックスして話せる環境かどうかは、そのままインタビューの中身に跳ね返ってきます。
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスが選ばれる理由
これまでの経験を踏まえて自ら設計と運営をしているのが、インタビュールーム赤坂 バイデンハウスです。使いやすく、清潔で、機能的というコンセプトのもと、定性調査の実査環境に必要な要素を一つひとつ作り込みました。RFPで会場の設備条件を検討する際の参考として、主な特徴を挙げておきます。
- 2フロア構成。3階はカジュアル、4階は落ち着いたムードと、調査のトーンに合わせてフロアを選べます。
- マジックミラー設置。クライアントや調査チームが対象者の様子をリアルタイムで観察できます。
- ZOOMやストリーミング配信に対応。遠方のクライアントや海外拠点との同時接続も可能で、フォーカスビジョン、Forstaなどのプラットフォームとも連携できます。
- 英語対応スタッフが在籍。外資系クライアントや海外リサーチ会社との協働プロジェクトにも安心して臨めます。
- 洗面台を完備。長時間の実査でも清潔感を保てます。細かい点ですが、対象者の居心地に効いてきます。
- 最大6名対応。フォーカスグループディスカッションの標準的な規模をカバーします。
- 営業時間は9時30分から22時まで。夕方や夜間のセッションにも対応できます。
定性調査のRFPに実査会場の条件を盛り込むとき、インタビュールーム赤坂 バイデンハウスの設備スペックをそのまま参照していただいてもかまいません。調査の精度を左右する環境選びですから、一度実際の空間を確かめてみてください。仮予約や空き状況の確認も気軽にお問い合わせいただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
