カスタマージャーニー・インタビューは、顧客がサービスや商品に出会い、購入し、使い続けるか離脱するまでの体験を、時系列に沿って語ってもらう定性調査の手法です。ペルソナや数字だけでは見えない、行動の裏側にある感情をすくい上げるには、設計の精度が結果を大きく左右します。どんな質問なら本音を引き出せるのか、どの程度の人数で実施すればインサイトが飽和するのか、現場で積み重ねた知見をもとに5つの実践手順を整理しました。
目次
① 過去の具体的な体験を語ってもらう構えで設計する
あなたはどんなときに使いますかと一般論で聞くのではなく、最後に使ったのはいつですか、そのとき何が起きていましたかと、実際のエピソードに紐づけて尋ねます。過去の具体的な場面を再現してもらうことで、感情と思考の流れを時系列で拾えるようになります。アンケートで分かるのは何を買ったかという事実ですが、インタビューではなぜそのとき検索したのか、比較検討中はどんな気持ちだったのかまで掘り下げられます。
② 質問項目を5段階の流れで組み立てる
ウォームアップとして属性や日常習慣を軽く聞き、緊張をほぐすところから始めます。次にきっかけの探索で、そのサービスや商品に関わり始めた背景をたどり、行動の再現として検索、比較、購入、利用の各場面を時系列で語ってもらいます。感情の掘り下げでは、嬉しかった、困った、不安だった瞬間を深く聞き、最後に現在の満足度、あったらよかったこと、今後の利用意向を確認する流れです。一回で聞ける量はかぎられているため、この調査でどのタッチポイントの謎を解くのかを事前に絞っておくことが、設計の核になります。
③ セグメントごとに5〜8名のデプス・インタビューを行う
定性調査では、同じセグメントで5〜8名のデプス・インタビューを行うと、主要なインサイトが飽和してくると言われています。新規顧客の理解か、既存顧客の離脱防止かといった目的でセグメントを分け、それぞれ5名前後を目安にすると現実的に回せます。フォーカス・グループ・ディスカッションは他の参加者の発言に意見が引きずられがちなので、ジャーニーを深く掘るなら一対一のデプス・インタビューが向いています。
④ 発言をタッチポイントと感情軸でマッピングして分析する
録音や録画から発言を書き起こし、各発言をタッチポイントと感情軸でマッピングしていくのが基本です。付箋ツールやホワイトボードを使ったアフィニティ・ダイアグラムで、複数名のインタビュー結果を横断しながら、繰り返し現れる感情パターンを浮かび上がらせる方法が効果的です。オブザーバーがいる場合、実査中にマジックミラー越しに観察した気づきメモを加えると、ジャーニーマップに立体感が出ます。
⑤ 空間の雰囲気と機能性が対象者の発話量に直結する
清潔感に欠けたり、待機スペースが窮屈だったりすると、対象者は緊張を残したまま本音まで届かないことがあります。インタビュールーム赤坂 バイデンハウスは、赤坂駅から徒歩圏という立地で、カジュアルな雰囲気の3階と落ち着いたムードの4階の2フロアを、用途に応じて使い分けられます。マジックミラー、洗面台、ZOOMやストリーミング配信、英語対応スタッフを備え、対象者は最大6名まで対応し、営業時間は9時30分から22時まで夕方や夜間の実査スケジュールにも柔軟に組み込めます。カスタマージャーニー・インタビューのように長時間の会話を要する調査では、圧迫感のなさが対象者のリラックスに直結し、設計と実査と分析が噛み合ったときに、顧客理解を一段深い場所へ連れていってくれます。
