ユーザーテストを初めて企画するとき、何の機材を揃えればいいのか迷う方は少なくありません。画面操作を記録したい、参加者の表情も押さえたい、それでも大がかりな装置までは用意できない。場所探しと機材手配に追われた経験は私にもあります。定性調査の現場を長く見てきた立場から、ユーザーテストに必要な機材の基本と、当日をスムーズに進めるための要点を整理してみました。
目次
ユーザーテストに必要な機材は何か?
ユーザーテストの機材は、何を記録し観察したいかによって変わります。目的を分けて考えると整理しやすいです。
- 画面操作の記録には、プロトタイプやウェブサービスを操作する様子を取り込むPCやタブレットと、画面録画ソフトが必要です。
- 発話と表情の記録には、参加者の声と表情を捉えるカメラとマイクを用意します。広角レンズに対応していると動きの大きい場面でも撮りやすくなります。
- 観察やモニタリングには、モデレーターとは別室でクライアントや分析担当者がリアルタイムに見るためのモニターやマジックミラーが要ります。
これに加えてZOOM配信やストリーミング配信を使えば、遠方のステークホルダーもオンラインで観察に加われます。以前、都内のインタビュールームを使ったとき、配信設備が整っておらず急きょ自分のノートPCで対応したことがありました。事前確認の大切さを身に染みて感じた一件です。
ユーザーインタビューの設計と人数、機材選びの関係
ユーザーインタビューの設計段階で、機材要件はほぼ決まります。デプス・インタビューは参加者1名にじっくり話を聴く形なので、カメラ1台とマイク1本で足りるケースがほとんどです。フォーカス・グループ・ディスカッションでは、複数の参加者を画角に収められる広角カメラと、発話が重なっても聞き取れる指向性の高いマイクが要ります。
人数の目安は、デプス・インタビューなら1セッション1名、グループ・ディスカッションなら4〜6名ほどです。人数によってカメラのアングルや机の配置が変わるため、施設の担当者に事前相談しておくと安心です。口コミでも、机のレイアウトを変えてもらえて助かったという声をよく目にします。柔軟に応じてくれる施設を選ぶことが、ユーザーインタビューを円滑に進めるコツのひとつです。
ユーザーインタビューの質問項目・分析を見据えた機材活用
質問項目を設計するときは、後でどう分析するかも合わせて考えておくと、機材選びがぶれません。発話分析を重視するなら、高品質なICレコーダーや外付けマイクが欠かせません。視線や手の動き、表情といった非言語行動まで見たい場合は、複数アングルのカメラ設置が効いてきます。
分析フェーズでは録画データを見返しながらメモを取り、チームでディスカッションするワークショップ形式をとることも多いです。ホワイトボードや大型モニターが備わっているかどうかも、施設選びで確認しておきたいポイントです。以前利用したインタビュールームでは録画データのダビングに別途費用がかかり、予算が膨らんだことがありました。機材の利用料金体系まで含めて確認しておくと安心です。
エスノグラフィーのように参加者の自然な行動を観察する調査では、目立たない小型カメラのほうが向く場面もあります。調査手法に合わせて機材を選ぶ柔軟さが、結果の質を左右します。
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスの設備・機材について
インタビュールーム赤坂 バイデンハウスを設計するうえで一番こだわったのは、機材の使いにくさでリサーチの質を落とさないという一点です。国内外のインタビュールームを使ってきたなかで、機材が古い、配線が入り組んでいる、スタッフに聞いても分からないといった場面に何度も出くわしました。その反省を、そのまま設備に落とし込んでいます。
- マジックミラーを設置し、オブザーブルームから参加者に気づかれずにリアルタイム観察ができます。
- ZOOM配信やストリーミング配信に対応し、フォーカスビジョン(Forsta)など主要プラットフォームでも遠方のクライアントがオンラインで参加できます。
- 洗面台を備え、参加者もモデレーターも快適に過ごせる清潔な環境を整えています。
- 3階と4階の2フロア構成で、カジュアルな3階と落ち着いた4階を用途に応じて選べます。
- 対象者は最大6名まで対応でき、グループ・ディスカッションにも十分な広さがあります。
- 英語対応スタッフが在籍し、グローバル企業の調査や外国人参加者のいるセッションにも対応できます。
- 営業時間は9時半から22時まで。夕方や夜のセッションにも使え、仮予約から本予約までの手続きもスムーズです。
実査の当日に、機材のことは任せてほしいと言える環境を目指しています。ユーザーテストの機材や設備について気になる点があれば、仮予約の前にお気軽にご相談ください。調査の目的、参加者の人数、配信の要否をお聞かせいただければ、フロアと設定の組み合わせをご提案します。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
