インタビュールームを初めて手配するとき、あるいは久しぶりに使うとき、どんなレイアウトの部屋を選べばいいのか迷ったことはありませんか。モデレーターの立ち位置、対象者の着席位置、オブザーバーがミラー越しに観察するスペース。こうした空間の使い方は、調査の品質に思いのほか大きく影響します。私自身、外資系コンサルティング・ファームに在籍していた頃から数えると、国内外でかなりの数のインタビュールームを実際に使ってきました。その中でレイアウトに泣かされた瞬間が何度もあり、それが今のインタビュールーム赤坂バイデンハウスを設計する出発点になっています。ここでは、調査目的別の考え方から選び方のポイントまで、実務目線で整理してみます。
目次
インタビュールームとは?レイアウトを考える前に押さえておきたい基本
インタビュールームとは、デプス・インタビュー(個別インタビュー)やフォーカス・グループ・ディスカッション(グループインタビュー)といった定性調査のために設計された専用の部屋を指します。会議室との最大の違いは、マジックミラーを隔てたオブザーバールームが備わっている点です。クライアントや調査チームがミラー越しに対象者の様子をリアルタイムで観察できる構造こそが、この部屋の核心といえます。レイアウトを検討するときは、対象者が入るメインルームと、観察する側のオブザーバールーム、それぞれがどう設計されているかを確認するところから始めます。
調査手法別に見る、最適なレイアウトの考え方
どんなレイアウトが向いているかは、実施する調査手法によって大きく変わります。私がさまざまな施設を使い比べてきた経験から、手法ごとの特徴を整理してみます。
- デプス・インタビューは、モデレーターと対象者が1対1で向き合う形が基本です。テーブルを挟んで真正面に座るよりも、斜め45度ほどに配置したほうが対象者の緊張がほぐれ、会話が自然に流れます。部屋自体はコンパクトでもかまいませんが、天井の高さや照明で圧迫感を消すことが効いてきます。
- フォーカス・グループ・ディスカッションは対象者が4〜6名ほど参加するため、円形や楕円形のテーブルを囲む形が定番です。全員が互いの表情を見ながら発言できる配置が望ましく、モデレーターはグループ全体を見渡せる席に座ります。
- ワークショップでは付箋やボードを使うアクティビティが入るので、可動式の家具でレイアウトを組み替えられる部屋が向いています。
- Zoomやストリーミング配信を伴う実査では、カメラアングルと照明が映像の質を決めます。配信機材をどこに置き、対象者をどこに座らせるかを事前に詰めておく必要があります。
口コミを眺めていると、グループインタビューで部屋が狭く対象者同士が窮屈そうだった、カメラ位置が固定されていて映像が見づらかった、といった声をよく目にします。レイアウトは見栄えの良さよりも、調査がきちんと機能するかどうかで選びたいところです。
インタビュールームの設備・料金相場と選び方のチェックポイント
インタビュールームを選ぶときに確認したい設備と、料金相場の目安を押さえておきましょう。東京都内のインタビュールームの料金は、施設の規模や立地によりますが、1日のフル利用で数万円から10万円台というレンジがおおよその目安です。半日や時間単位で貸し出している施設も多く、実査の規模に合わせて選べます。
設備面で見ておきたいのは次のような点です。
- マジックミラーの位置とサイズ。対象者全員を見渡せるかどうか
- オブザーバールームの広さとモニター設備
- Zoomやストリーミング配信への対応可否
- 録音・録画機材の有無と品質
- 洗面台などの水回り。長時間の実査では効いてきます
- 英語対応スタッフの有無。外資系クライアントや外国人対象者が含まれる場合に必要です
- 仮予約・本予約の制度。スケジュール調整のしやすさにつながります
国内外の施設を使ってきて一番堪えたのは、水回りの問題でした。長丁場の実査で洗面台がなく、対象者に気まずい思いをさせてしまったことがあります。清潔感や快適さは、対象者が安心して話せる空気をつくるうえで、レイアウト以上に響くことがあります。
インタビュールーム赤坂バイデンハウスのレイアウトと設備
こうした経験を踏まえて私が設計・運営しているのが、インタビュールーム赤坂バイデンハウスです。アクセスのよい赤坂に3階と4階の2フロアを構えています。3階はカジュアルで開放的、4階は落ち着いたムードと、調査のトーンや対象者層に合わせてフロアを使い分けられるのが持ち味です。デプス・インタビューからフォーカス・グループ・ディスカッションまで、対象者最大6名に対応するレイアウトを整えています。
- マジックミラーを備え、クライアントがミラー越しにリアルタイムで観察できる標準的なインタビュールーム構造です
- 各フロアに洗面台を設け、長時間の実査でも対象者とスタッフが快適に過ごせます
- Zoomやストリーミング配信に対応し、フォーカスビジョン(Forsta)も利用できるため、遠隔地のオブザーバーもリアルタイムで参加できます
- 英語対応スタッフが在籍し、外資系クライアントや英語でのインタビューにも対応します
- 3階のカジュアル、4階のムードと、目的に合わせて2タイプの雰囲気から選べます
- 営業時間は9時半から22時まで。夜間の実査にも使えます
- 仮予約制度があり、スケジュール確定前の仮押さえが可能です
レイアウトや設備は、調査が終わってから気づくことの多い要素です。だからこそ、実際に足を運んで空間を確かめるか、事前に細かいところまで確認しておくのが安心です。赤坂バイデンハウスでは仮予約の段階から相談を受け付けていますので、次の実査の拠点選びに役立てていただければと思います。
お電話でのお問い合わせ:03-6441-0989(11:00〜18:00、土日祝除く)
著者プロフィール
石崎 健人
インタビュールーム株式会社(リサート)取締役
株式会社バイデンハウス 代表取締役
外資系コンサルティング・ファームを経て現職。マーケティングリサーチャーであり定性調査のモデレーター。アドタイにて「Z世代の誤解とリアル。ビーリアルな、密着エスノ記」連載中。
