インタビュールームのレイアウト設計:調査精度を左右する5つの要素

インタビュールームのレイアウトは、モデレーターの立ち位置、対象者の着席位置、オブザーバーがミラー越しに観察するスペースの配置によって、調査の品質を左右します。外資系コンサルティング・ファームに在籍していた頃から国内外で数多くのインタビュールームを使ってきた経験を踏まえ、レイアウトに泣かされた瞬間が何度もありました。その経験が、インタビュールーム赤坂バイデンハウスを設計する出発点になっています。

① マジックミラーとオブザーバールームの配置を確認する

インタビュールームは会議室と異なり、マジックミラーを隔てたオブザーバールームが備わっています。クライアントや調査チームがミラー越しに対象者の様子をリアルタイムで観察できる構造こそが、この部屋の核心といえます。レイアウトを検討するときは、対象者が入るメインルームと観察する側のオブザーバールーム、それぞれがどう設計されているかを確認するところから始めます。マジックミラーの位置とサイズ、対象者全員を見渡せるかどうかが最初のチェックポイントです。

② デプス・インタビューでは斜め45度の配置で緊張をほぐす

デプス・インタビューは、モデレーターと対象者が1対1で向き合う形が基本です。テーブルを挟んで真正面に座るよりも、斜め45度ほどに配置したほうが対象者の緊張がほぐれ、会話が自然に流れます。部屋自体はコンパクトでもかまいませんが、天井の高さや照明で圧迫感を消すことが効いてきます。空間の使い方は、調査の品質に思いのほか大きく影響します。

③ フォーカス・グループ・ディスカッションでは円形配置で全員の表情を捉える

フォーカス・グループ・ディスカッションは対象者が4〜6名ほど参加するため、円形や楕円形のテーブルを囲む形が定番です。全員が互いの表情を見ながら発言できる配置が望ましく、モデレーターはグループ全体を見渡せる席に座ります。口コミを眺めていると、グループインタビューで部屋が狭く対象者同士が窮屈そうだったという声をよく目にします。レイアウトは見栄えの良さよりも、調査がきちんと機能するかどうかで選びたいところです。

④ Zoomやストリーミング配信ではカメラアングルと照明を事前に詰める

Zoomやストリーミング配信を伴う実査では、カメラアングルと照明が映像の質を決めます。配信機材をどこに置き、対象者をどこに座らせるかを事前に詰めておく必要があります。カメラ位置が固定されていて映像が見づらかったという声も多く、遠隔地のオブザーバーがリアルタイムで参加する場合は、録音・録画機材の有無と品質、フォーカスビジョン(Forsta)のような配信ツールへの対応可否を確認しておきます。

⑤ 水回りと清潔感で対象者が安心して話せる空気をつくる

国内外の施設を使ってきて一番堪えたのは、水回りの問題でした。長丁場の実査で洗面台がなく、対象者に気まずい思いをさせてしまったことがあります。清潔感や快適さは、対象者が安心して話せる空気をつくるうえで、レイアウト以上に響くことがあります。インタビュールーム赤坂バイデンハウスでは各フロアに洗面台を設け、長時間の実査でも対象者とスタッフが快適に過ごせるよう設計しています。3階はカジュアルで開放的、4階は落ち着いたムードと、調査のトーンや対象者層に合わせてフロアを使い分けられるのが持ち味です。

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